和歌と俳句

相馬


群山の 尾ぬれに秀でし 相馬嶺ゆ いづ湧き出でし 天つかも


久方の 天つ狹霧を 吐き落す 相馬が嶽は 恐ろしく見ゆ

野馬追も近づき 咲きにけり 楸邨

駒とめて野馬追の武者水を乞ふ 楸邨

野馬追も少年の日も杳かなる 楸邨

斑雪道海にむかへりわが行かず 波郷

野馬追の老の歩卒のお馬先 風生

野馬追の緋の母衣孕みおん大将 風生

野馬追の面魂も相馬郷 風生

気負ふなき百姓馬や野馬祭 悌二郎

素破事故の夏野四方より武者集ふ 悌二郎

夏鶯神事の競馬だれしとき 悌二郎

野馬追の黒駒つなぐ夜の屋後 悌二郎

藺作して山も加はる火の祭 林火

盆唄もここは相馬よ夜風冷ゆ 林火