芭蕉
有難や雪をかほらす南谷
子規
一梅雨を羽黒にこもるひじり哉
茂吉
ひたぶるにくだりくだりて羽黒山森は見ゆれど遠くもあるか
茂吉
眼したに羽黒の森は見えぬれど行著きがたし共に疲れぬ
茂吉
しづかなる羽黒の山や杉のまの石の階を匍ひつつのぼる
茂吉
神います羽黒の山にのぼり来てわが身は清し汗をさまりぬ
迢空
最上川ぞひに ひたすらにくだり来て、羽黒の空の夕焼けも 見つ
茂吉
羽黒道 まうでて来れば くれなゐの 杉のあぶら落つ 石のたたみに
茂吉
出羽なる 羽黒の山は とことはに 雲に触りつつ 古りし大杉
茂吉
雪解時より 霜ふるころに 至るまで 大杉のうへの 白鷺のこゑ
茂吉
羽黒山 杉の木立に 巣ごもれば 日もすがら聞こゆ 杉の上の鷺
茂吉
雨はれし 羽黒の山に のぼり来て 餅を食ひぬ 食へども飽かず