和歌と俳句

安達が原

福島県安達郡安達太良山のふもと

古今集・神遊びのうた とりもののうた
みちのくの安達のまゆみ わがひかば末さへよりこ しのびしのびに

平兼盛
みちのくの 安達ケ原の しらまゆみ こころつよくも 見ゆる君かな

拾遺集・雑歌 平兼盛
陸奥の 安達の原の 黒塚に 鬼こもれりと 聞くはまことか

重之
みちのくの 安達の真弓 ひくやとて 君にわが身を まかせつるかな

後拾遺集・雑歌 実方
みちのくの 安達の真弓 君にこそ 思ひためたる ことも語らめ

重之
思ひやる よその村雲 しぐれつつ あだちが原に 紅葉しぬらむ

清輔
朝まだき しのぶもぢずり うちはらひ 安達が原の 雪見るや誰

俊成
知らざりし 安達の原の 仮寝にも 聲なつかしき ほととぎすかな

俊成
うらやまし 安達の原の 反り檀弓 そりはてましを 引き返しけむ

定家
しぐれ行く あだちの原の 薄霧に まだ染め果てぬ 秋ぞこもれる

定家
そなたより 霞やしたに いそぐらむ あだちの眞弓 春はとなりと

宝物の鬼気も蝕む秋の風 碧梧桐

蟹と居て安達ケ原の雨に打たれ 青畝