頼政夜舟こぎ 沖にてきけば 常陸の海 鹿島がさきに 千鳥なくなり
此松のみばへせし代や神の秋 芭蕉
膝折るやかしこまり鳴く鹿の声 曽良
朧夜や誰か寝て行鹿島舟 白雄
晶子利根の宿 松の梢に 置くものは 遠き鹿島の 灘のしら波
嵐中鹿島の神は旅立てり悌二郎
秋晴や鹿島詣での人の中 青邨
香取より鹿島はさびし木の実落つ 青邨
風薫る鹿島の杉は剣なす 茅舎
杉美まし鹿島は風のかをる宮 茅舎