和歌と俳句

逢坂山

古今集・離別歌なにはのよろづを
逢坂の関しまさしきものならば あかずわかるる君をとどめよ

古今集・離別歌 貫之
かつこえて別れも行くか逢坂は人だのめなる名にこそありけれ

古今集・恋 元方
音羽山おとにききつつ逢坂の関のこなたに年をふるかな

古今集・恋 よみ人しらず
逢坂のゆふつけどりも わがごとく人やこひしき ねのみなくらむ

古今集・恋 よみ人しらず
逢坂の関にながるる石清水 いはで心におもひこそすれ

古今集・恋 閑院
逢坂のゆふつけ鳥にあらばこそ 君がゆききをなくなくも見め

古今集・雑歌 よみ人しらず
逢坂のあらしの風は寒けれど ゆくへ知らねばわびつつぞ寝る

後撰集・恋 公忠
思ひやる 心はつねに かよへども あふさかの関 越えずもあるかな

後撰集・恋 三條右大臣定方
名にしおはば相坂山のさねかづら人に知られて来るよしもがな

後撰集・恋 兼輔
相坂の木のしたつゆに濡れしよりわが衣手は今もかわかず

兼輔
逢坂の関にわが宿なかりせば別れてのちは頼まざらまし

後撰集・恋 よみ人しらず
逢はでのみあまたの夜をも帰るかな人めのしげき相坂にきて

後撰集・恋 よみ人しらず
有りとだに聞くべきものを相坂の関のあなたぞ遙けかりける

返し よみ人しらず
関守があらたまるてふ相坂のゆふつげ鳥は鳴きつつぞゆく

後撰集・恋 よみ人しらず
ゆき帰り来ても聞かなむ相坂の関にかはれる人もありやと

返し よみ人しらず
もる人のあるとは聞けど相坂のせきもとどめぬわが涙かな

後撰集・雑歌 蝉丸
これやこのゆくもかへるも別れつつしるもしらぬもあふさかのせき

後撰集・雑歌 敏行
あふさかのゆふつげになく鳥のねをききとがめずぞ行きすぎにける

後撰集・雑歌 よみ人しらず
まつ人はきぬときけどもあらたまの年のみ越ゆるあふさかの関

拾遺集・秋 貫之
相坂の関の清水に影見えて今や引くらん望月の駒

拾遺集・別 貫之
別ゆく今日はまどひぬ相坂は帰来む日の名にこそ有けれ

清正
逢坂の せきぢに年は 経ぬれども けふの清水や 名をば流さむ


なににわれ夜半にきつらむ逢坂の関あけてこそ駒もひきけれ

元輔
走り井のほどを知らばや相坂の関引き越ゆる夕かげの駒

拾遺集・別 能宣
ゆくすゑのいのちもしらぬわかれぢはけふ相坂や限りなるらん

好忠
風寒くなりにし日より逢坂の関の岩井は水草ゐにけり


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