頼政帰る雁 声をほにあぐる 時しもあれ 南より吹く 余呉の浦風
俊恵余呉の海に つりするあまの うけのをの なびくもみゆる 夜半の月かな
西行余呉の海の君を見しまに引く網の目にも懸らぬあぢのむらまけ
寂蓮余呉の海の こほりのはてに 舟とめて 浦路も遠き うきねをぞする
路通鳥共も寝入てゐるか余吾の海
青畝鴨来しと余呉湖の鴉さわぎけり
秋櫻子掛稲をとるや芒の余呉の湖