或夜夢に雛娶りけり白い酒 漱石
白酒やもらひためたる小盃 鬼城
白酒や玉の杯一つづつ 鬼城
白酒をおしみてわかつ瓶子かな 泊雲
白酒に羽織重ねても孤りかな 石鼎
われを刺す眦に在り濃白酒 石鼎
白酒の酔のほめきに灯りたる 草城
今は酔ひて耳の遠さよお白酒 青畝
白酒の酔ほのめきぬ長睫毛 風生
白酒やなでてぬぐひし注零し 青畝
白酒や蘇鉄の月に女来る 月二郎
白酒のちよこをなめつゝ酔ひしかな かな女
白酒や玻璃さかづきの花模様 悌二郎
京言葉大阪言葉濃白酒 たかし
吾子の眼のすなはち楽しお白酒 汀女
白酒の餅の如くに濃かりけり 虚子
白酒の紐の如くにつがれけり 虚子
紅唇に触るる朱盃や濃白酒 たかし
処女みな情濃かれと濃白酒 たかし