阿寒
バス来るや虹の立ちたる湖畔村 虚子
火の山の麓の湖に舟遊 虚子
大木の沢山倒れ蝦夷の秋 立子
接骨木の木の間に鱒を釣りにけり 立子
ここに来て雌阿寒晴るゝ舟あそび 櫻坡子
みづうみへ倒れ木のあり舟あそび 櫻坡子
水涼し毬藻に鱒のひらめきて 亜浪
山蝉や雄阿寒雲を呼んで聳つ 亜浪
ななかまど一枝は赤く文月に 青邨
冬の宿阿寒の毬藻のみ青く 青邨
雄阿寒や鷹の子一つ舞ひ習ふ 花蓑
毬藻手にちぎれちぎれの秋の天 楸邨
雄阿寒のずりあがりゆく燕かな< 楸邨
雌阿寒の霧ゆけば見えさるをがせ 楸邨
けむりふく嶺も月夜やお花畑 蛇笏
遠雲の夏おとろへぬ阿寒岳 秋櫻子