古今集・恋 よみ人しらず
恋せじと 御手洗河に せしみそき 神はうけずぞ なりにけらしも
金葉集・雑 津守国基
聞きわたる 御手洗川の 水清み そこの心を けふぞ見るべき
頼政
かげやどす 御手洗川の さやけさは 月もや今宵 あま下るらむ
西行
御手洗の 流れはいつも 変らじを 末にしなれば あさましの世や
西行
御手洗に 若菜すすぎて 宮人の 真手に捧げて 御戸開くめる
俊成
たのもしな 御手洗川を 堰かけて みしめはへたる みとしろのうね
俊成
わがたまも あくがれぬべし 夏蟲の 御手洗川に すだく夕暮れ
俊成
おもふこと 今は水無月 はてぬらむ 御手洗川に 禊しつれば
俊成
祈りおきし 心のうちを 御手洗の 末にあひ見む ことぞ嬉しき
良経
きのふかも 絶えぬみあれを 御手洗に 雲居のつかひ 今日やたちそふ
俊成
君が代は 賀茂のやまかぜ 静かにて 御手洗川は 千たびすむべし
新古今集・神祇 俊成
月さゆる みたらし川に 影見えて 氷に摺れる やまあゐの袖
実朝
ちはやふる 御手洗川の 底きよみ のどかに月の かげはすみけり
定家
かざし来し 櫻も藤も むかしにて 御手洗川を おもひこそやれ