和歌と俳句

松本たかし

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深雪晴非想非非想天までも

スキーヤー伸びつ縮みつ雪卍

立ち塞ぐ雪山に日の急ぎ落ち

月星に氷柱は牙を磨きをり

雪垣に月明の濤の如く

綺羅星は私語し雪嶺これを聴く

深雪宿温泉室の屋根は雪を置かず

み雪ふる浴めば処女茜さし

はだか女に湯気の文目や雪の暮

しんしん出湯こんこんと尽くるなし

氷りたる瀧ひつ提げて山そそる

氷柱刀林地獄逆まに

氷柱我を目がけて殺気かな

旅先に一幅を得つ日脚伸ぶ

枯菊の相抱くあり倒れつつ

薄目あけ人嫌ひなり炬燵猫

燈火の揺れとどまらず虎落笛

虎落笛闇の帷に閃閃と

日がなゐて夕しづもりの炬燵かな

妻と居て孤ろごころの炬燵かな

とことはの二人暮しの年用意

鶲来てとまる枯木に今日は雨