わがくには天照る神の末なれば日の本としもいふにぞありける
昔よりみくにつたはる法の水流れて澄める松の海かな
民もみな君に心をつくば山しげき恵の雨潤ふ世に
この頃は関の戸鎖さずなりはてて道ある世にぞ立ちかへるべき
かかる世に契ありてぞ逢坂の小川のすゑは君にまかせむ
世の中はあるにまかせて過ぐすかなこたへぬ空をうち眺めつつ
知るやきみ星をいただく年ふりて我が世の月も影闌けにけり
幾年の花と月とになれなれて心の色を人に見すらむ
世々を経て君が御代をやまつのかぜ残るかひある住吉の岸
和歌の浦の葦邊のたづのさしながら千歳をかけて遊ぶころかな