和歌と俳句

大伯皇女

我が背子を大和へ遣るとさ夜更けて暁露に我が立ち濡れし

ふたり行けど行き過ぎかたき秋山をいかにか君がひとり越ゆらむ


神風の伊勢の国にもあらましを何しか来けむ君もあらなくに

見まく欲り我がする君もあらなくに何しか来けむ馬疲るるに


うつそみの人にある我れや明日よりは二上山を弟背と我見む

磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君が在りと言うはなくに