知恩院
蕪村
褒居士はかたい親父よ竹婦人
一茶
降る雨も小春なりけり知恩院
子規
静かさや師走の奥の知恩院
虚子
落葉焚いて春立つ庭や知恩院
漱石
時鳥あれに見ゆるが知恩院
晶子
知恩院の 鐘が覚まさぬ 人さめぬ 扇もとむる わが衣ずれに
晶子
御目ざめの 鐘は知恩院 聖護院 いでて見たまへ むらさきの水
晶子
知恩院の 高き屋根より わが髪に 皐月のしづく 青やかにちる
碧梧桐
燕の古巣を見るや知恩院
智恩院の鐘はひよどみ除夜の闇 石鼎
友二
袖擦りの尼僧見かへる秋の風
亞浪
帰り咲く木のあり尼僧咳秘むる
楸邨
まつすぐに松の空なる秋の雨
誓子
金泥の雲屏風出て花の雲