大江山
金葉集・雑 小式部内侍
大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ず天の橋立
俊恵
大江山 みねまでひびく 虫の音は 生野にこよひ あまり来ぬらむ
俊恵
大江山 鹿のねとほく きこゆなり 生野のほかに 妻をこふらむ
新古今集・秋 慈円
大江山傾く月のかげさえて鳥羽田の面に落つるかりがね
定家
夕涼み大江の山のたまかづら秋をかけたる露ぞこぼるる
新勅撰集・秋 權中納言実守
おほえやま はるかにおくる しかのねは いくのをこえて つまをとふらん
荷兮
しら魚の骨や式部が大江山
蕪村
雲の峰に肘する酒呑童子哉
虚子
大江山花に戻るや小盗人
泊雲
時雨るるやちぎれちぎれの大江山
青邨
大江山けふも雨降り草を刈る
青邨
大江山降り出す雨に桔梗濃し
楸邨
おぼろ夜の鬼なつかしや大江山