古今集・雑歌 業平
大原やをしほの山もけふこそは神世のことも思ひいづらめ
好忠
をしを山 尾上の松の 枝ごとに 降りしく雪は 花と見えつつ
源氏物語の中の和歌・行幸
雪深き をしほの山に 立つ雉子の 古き跡をも 今日はたづねよ
源氏物語の中の和歌・行幸
小塩山 みゆき積もれる 松原に 今日ばかりなる 跡やなからん
後拾遺集・雑歌 伊勢大輔
よにとよむ 豊の禊を よそにして 小鹽の山の みゆきをや見し
新古今集・賀 大貮三位
相生の 小鹽の山の 小松原 いまより千代の かげを待たなむ
頼政
ふきおろす 嵐やまなき 小塩山 裾野の草の 片なびきなり
俊成
春霞 たちにけらしな をしほ山 小松が原の うすみどりなる
俊成
さかきばを小鹽の松にさしそへていはひし千代や君が代のため
新古今集・神祇 藤原伊家
千世までも 心して咲け もみぢ葉を 神もをしほの 山おろしの風
新古今集・神祇 慈圓
小鹽山 神のしるしを まつの葉に 契りし色は かへるものかは
俊成
小塩山 こまつが原は しげくとも 頼むこずゑを 神もわかなむ
定家
榊さす をしほの野邊の 姫小松 かはす千歳の すゑぞひさしき
雅経
ありあけの 秋ぞなごりは 大原や 月を小塩の 山の端の空
定家
春にあふ をしほの小松 かずかずに まさる緑の すゑぞひさしき
定家
朝霜を しらゆふかけて 大原や 小鹽の山に かみまつるころ
定家
小塩山千代のみどりの名をだにもそれとはいはぬ暮ぞ久しき
蕪村
暮れんとす春を小塩の山ざくら