超臨界CO₂プロセスに於いて、昇圧・分離・回収循環する時は臨界点以下の飽和線(沸騰線/凝縮線)を基に設計します。この時の物性値、例えば、熱交換器の設計に必要な物性値を以下に示します。
 又、最適な分離・循環圧力選定に必要な臨界圧以下での冷却エネルギーの考え方を分離・CO₂/循環圧力の選定、その時のNPSHreq.を考慮した過冷却温度の考え方を循環圧力での過冷却温度の選定に、 NPSHave.計算に必要な加速抵抗に示します。 過冷却CO₂の昇圧後の昇温時に必要な境膜伝熱係数(臨界圧力近傍でPr数が大きく変化)を昇温時の挙動/境膜伝熱係数に示します。

二酸化炭素の液相(蒸発)線

図2. 二酸化炭素の液相(蒸発)線

状態図

図1. 二酸化炭素の状態図


下表はEOS-SCx 0.2wの計算結果に基づきます、実際に使用する場合は再検証して下さい!

圧力 温度 密度 粘度 比熱 熱伝導度 エンタルピー
[MPaG] [℃] [K] [kg/㎥] [kg/m・s] [cP] [kJ/kg℃] [kcal/kg℃] [mW/m℃] [kcal/m・s℃] [kJ/kg] [Kcal/kg]
0.0 -78.46 194.69 固体飽和 = Pa・s (SI) 150.5 36.0
0.0 -78.46 194.69 ガス飽和 719.5 171.9
0.0 20 293.15 ガス 1.84 1.468E-05 0.01468 0.8461 0.2021 16.22 3.878E-06 804.4 192.2
0.0 40 313.15 ガス 1.72 1.565E-05 0.01565 0.8651 0.2067 17.84 4.265E-06 821.5 196.3
0.1 20 293.15 ガス 3.67 1.469E-05 0.01469 0.8535 0.2039 16.27 3.889E-06 803.4 192.0
0.417 -56.57 216.58 液飽和 1,178 三重点 386.2 92.3
0.417 -56.57 216.58 ガス飽和 14.04 730.4 174.5
1.0 20 293.15 ガス 21.16 1.480E-05 0.01480 0.9310 0.2224 16.73 4.000E-06 794.2 189.8
2.0 -32.76 240.39 1,090 1.734E-04 0.1734 2.042 0.4878 150.6 3.599E-05 430.5 102.9
2.0 -17.88 255.27 液飽和 1,022 1.345E-04 0.1345 2.190 0.5233 132.0 3.155E-05 461.8 110.4
2.0 -17.88 255.27 ガス飽和 55.36 1.326E-05 0.01326 1.329 0.3174 14.88 3.556E-06 739.5 176.7
2.0 -0.58272.57ガス48.611.404E-050.01404 1.1370.271715.953.813E-06760.5181.7
2.0 20293.15ガス43.151.499E-050.01499 1.0490.250617.394.157E-06782.9187.1
2.0 40 313.15 ガス 39.22 1.591E-05 0.01591 1.012 0.2417 18.89 4.515E-06 803.5 192.0
3.0 -14.86 258.29 1,012 1.297E-04 0.1297 2.203 0.5263 129.5 3.095E-05 468.2 111.9
3.0 -4.34 268.81 液飽和 952.5 1.072E-04 0.1072 2.424 0.5791 115.9 2.770E-05 492.4 117.7
3.0 -4.34 268.81 ガス飽和 85.11 1.435E-05 0.01435 1.686 0.4029 17.81 4.258E-06 735.9 175.8
3.0 12.96286.11ガス72.561.501E-050.01501 1.2960.309717.834.262E-06761.0181.8
3.0 20293.15ガス69.011.530E-050.01530 1.2280.293318.264.365E-06769.8184.0
4.0 -6 267.15 969.6 1.129E-04 0.1129 2.322 0.5547 119.7 2.861E-05 487.8 116.6
4.0 -2.05 271.10 946.1 1.050E-04 0.1050 2.421 0.5785 114.6 2.739E-05 497.1 118.8
4.0 6.28 279.43 液飽和 887.5 8.867E-05 0.08867 2.786 0.6656 103.2 2.466E-05 518.6 123.9
4.0 6.28279.43ガス飽和119.51.552E-050.01552 2.2340.533722.485.373E-06729.2174.2
4.0 23.58296.73ガス97.91.594E-050.01594 1.4700.351320.094.801E-06759.4181.5
4.0 25 298.15 ガス 96.70 1.599E-05 0.01599 1.445 0.3453 20.06 4.796E-06 761.5 182.0
4.5 1 274.15 930.8 1.003E-04 0.1003 2.478 0.5921 111.5 2.664E-05 504.1 120.5
4.5 3.31 276.46 915.3 9.588E-05 0.09588 2.563 0.6125 108.4 2.590E-05 509.9 121.9
4.5 10.88 284.03 液飽和 854.5 8.112E-05 0.08112 3.059 0.7309 97.60 2.333E-05 530.9 126.9
4.5 10.88 284.03 ガス飽和 139.2 1.618E-05 0.01618 2.652 0.6337 25.30 6.047E-06 724.7 173.2
4.5 25298.15ガス114.71.633E-050.01633 1.6480.393921.725.192E-06753.0179.9
4.5 28.18301.33ガス111.11.642E-050.01642 1.5650.374021.485.135E-06758.1181.1
4.5 30 303.15 ガス 109.3 1.647E-05 0.01647 1.526 0.3645 21.39 5.113E-06 760.9 181.8
5.0 8.16 281.31 885.1 8.805E-05 0.08805 2.737 0.6540 102.7 2.456E-05 522.1 124.7
5.0 15.116 288.27 液飽和 820.2 7.424E-05 0.07424 3.449 0.8241 92.55 2.212E-05 543.1 129.8
5.0 15.116 288.27 ガス飽和 161.4 1.694E-05 0.01694 3.258 0.7784 28.70 6.860E-06 719.3 171.8
5.0 32.42 305.57 ガス 124.8 1.691E-05 0.01691 1.666 0.3980 22.94 5.484E-06 756.5 180.8
5.0 35 308.15 ガス 121.7 1.696E-05 0.01696 1.599 0.3820 22.73 5.432E-06 760.8 181.8
5.0 40 313.15 ガス 116.3 1.709E-05 0.01709 1.498 0.3579 22.48 5.373E-06 768.5 183.6
圧力 温度 密度 粘度 比熱 熱伝導度 エンタルピー
[MPaG] [℃] [K] [kg/㎥] [kg/m・s] [cP] [kJ/kg℃] [kcal/kg℃] [mW/m℃] [kcal/m・s℃] [kJ/kg] [Kcal/kg]
5.63 13.69 286.84 847.0 7.953E-05 0.07953 3.021 0.7217 96.37 2.303E-05 536.7 128.2
5.63 20 293.15 液飽和 773.4 6.614E-05 0.06614 4.264 1.019 87.05 2.081E-05 558.7 133.5
5.63 20 293.15 ガス飽和 194.2 1.809E-05 0.01809 4.560 1.089 34.36 8.212E-06 710.7 169.8
5.63 35 308.15 ガス 146.5 1.754E-05 0.01754 1.893 0.4523 25.24 6.033E-06 750.0 179.2
5.63 37.30 310.45 ガス 142.6 1.756E-05 0.01756 1.801 0.4302 24.85 5.940E-06 754.3 180.2
6.0 12 285.15 867.3 8.390E-05 0.08390 2.804 0.6700 99.67 2.382E-05 530.9 126.9
6.0 16.71 289.86 824.3 7.503E-05 0.07503 3.234 0.7727 92.97 2.222E-05 545.0 130.2
6.0 22.70 295.85 液飽和 742.2 6.141E-05 0.06141 5.117 1.222 84.47 2.019E-05 568.3 135.8
6.0 22.70 295.85 ガス飽和 217.7 1.895E-05 0.01895 5.967 1.426 39.08 9.340E-06 704.2 168.3
6.0 40 313.15 ガス 153.5 1.796E-05 0.01796 1.885 0.4503 26.02 6.218E-06 752.8 179.9
6.3 24.78 297.93 液飽和 713.9 5.748E-05 0.05748 6.291 1.5031 82.99 1.984E-05 576.6 137.8
6.3 24.78 297.93 ガス飽和 240.0 1.993E-05 0.01993 7.918 1.8917 44.21 1.057E-05 698.0 166.8
6.5 20.53 293.68 793.1 6.943E-05 0.06943 3.597 0.8593 88.80 2.122E-05 556.1 132.9
6.5 26.12 299.27 液飽和 692.5 5.472E-05 0.05472 7.604 1.8167 82.48 1.971E-05 582.6 139.2
6.5 26.12 299.27 ガス飽和 257.5 2.084E-05 0.02084 10.10 2.4133 48.79 1.166E-05 693.0 165.6
6.543.418316.57ガス168.51.853E-05 0.018532.0030.478527.626.602E-06750.6179.4
7.0 29.31 302.46 液飽和 619.6 4.641E-05 0.04641 20.103 0.4803 87.03 2.080E-05 601.2 143.7
7.0 29.31 302.46 ガス飽和 320.8 2.494E-05 0.02494 30.994 7.4052 73.34 1.753E-05 674.9 1613
7.281 31.06 304.21 臨界点 466.01 636.6 152.1
10.0 35 308.15 SCF 716.5 5.818E-05 0.05818 3.902 0.9322 83.33 1.992E-05 592.3 141.5
10.0 50 323.15 SCF 396.5 2.907E-05 0.02907 6.003 1.4343 54.02 1.291E-05 683.6 163.3
10.0 60 333.15 SCF 296.2 2.410E-05 0.02410 3.113 0.7437 40.91 9.779E-06 725.9 173.4
13.5 40 313.15 SCF 755.7 6.391E-05 0.06391 2.921 0.6978 83.33 1.992E-05 592.3 141.5
13.5 60 333.15 SCF 540.8 4.023E-05 0.04023 4.005 0.9568 62.67 1.498E-05 662.6 158.3
13.5 80 353.15 SCF 365.7 2.866E-05 0.02866 2.714 0.6483 46.12 1.102E-05 731.2 174.7
14.5 40 313.15 SCF 773.8 6.670E-05 0.06670 2.734 0.6532 85.69 2.048E-05 589.3 140.8
14.5 60 333.15 SCF 588.4 4.458E-05 0.04458 3.580 0.8554 66.14 1.581E-05 652.5 155.9
14.5 80 353.15 SCF 409.9 3.134E-05 0.03134 2.867 0.6849 49.95 1.194E-05 719.8 172.0
14.5 100 373.15 SCF 319.9 2.714E-05 0.02714 2.061 0.4923 41.83 9.999E-06 768.1 183.5
14.5 120 393.15 SCF 270.8 2.576E-05 0.02576 1.691 0.4041 38.44 9.188E-06 805.2 192.4
30.0 40 313.15 SCF 910.4 9.397E-05 0.09397 1.954 0.4668 109.34 2.613E-05 572.9 136.9
30.0 80 353.15 SCF 746.6 6.395E-05 0.06395 2.054 0.4908 83.41 1.994E-05 653.3 156.1
[MPaG] [℃] [K] [kg/㎥] [kg/m・s] [cP] [kJ/kg℃] [kcal/kg℃] [mW/m℃] [kcal/m・s℃] [kJ/kg] [Kcal/kg]
圧力 温度 密度 粘度 比熱 熱伝導度 エンタルピー

青字:過冷却温度、

橙色字:分離温度

詳細は以下の分離・CO₂循環圧力の選定を参照下さい。

分離・CO₂循環圧力の選定このページのトップへ

圧力 凝縮熱 同左比 過冷却温度 過冷却熱 分離温度 同密度 分離熱 冷却熱量 同左比
[MPaG] [kJ/kg] [-] [℃] [kJ/kg] [℃] [kg/㎥] [kJ/kg] [kJ/kg] [-]
2.0 277.7 204% -32.76 31.3 -0.58 48.6 21.1 -330.1 159%
3.0 243.5 179% -14.86 24.2 12.96 72.7 25.0 -292.7 141%
4.0 210.6 155% -2.05 21.5 23.58 98.2 30.0 -262.1 126%
4.5 193.8 143% 3.31 21.0 28.18 111.5 33.2 -248.0 119%
5.0 176.1 130% 8.16 21.1 32.42 125.2 37.1 -234.3 113%
5.63 152.0 112% 13.69 22.0 37.30 143.4 43.2 -217.2 105%
6.0 135.9 100% 16.71 23.3 40.00 153.5 48.5 -207.8 100%
6.5 110.4 81% 20.53 26.5 43.42 169.6 57.1 -194.0 93%
飽和点

図3. 二酸化炭素の飽和点とモルエル図

超臨界CO₂で抽出等の操作を行い、臨界圧以下でその抽出物を分離・回収する、或いは、CO₂循環圧力は、分離性と共に、経済性の観点より、以下の冷却負荷を考慮して決める事が重要です。

【前提条件】
a) 分離温度:飽和温度より、17.3℃高い温度
 Ex:6MPa分離時の飽和温度22.7℃に対し、+17.3
   で、夏場気温より高い、40℃とする。
   40℃時のCO₂密度:153kg/㎥。
   30℃時のCO₂密度:178kg/㎥。
b) 過冷却温度:配管圧損・加速度抵抗他でポンプキャ
 ピテーションを起こさないために、飽和温度より、
 0.8MPa蒸気圧が低くなる温度
 Ex:6MPa分離時の飽和温度22.7℃に対し、-0.8MPa
   の5.2MPa蒸気圧は、16.71℃

【各圧力に対する冷却負荷/熱量】
 上表、図3に示します。6MPa時で、208kJ/kg-CO₂に対し、CE貯槽の2MPa時は、330kJ/kg-CO₂で、約1.6倍と冷却負荷が大きくなります。冷凍機は、低温程効率が悪くなるため、2MPa時の冷却消費電力は、更に大きくなります、 詳細は、二酸化炭素の回収・循環の項を参照下さい。
 2MPaのCO₂密度は49kg/㎥で、6MPaの153kg/㎥の3割のため、液滴との分離性は良くなります。


循環圧力での過冷却温度の選定、NPSHとの関係このページのトップへ

NPSH

図4. NPSH関係図

 ポンプで送る/昇圧する場合は、NPSHava. > NPSHreq.を満足させる事が必要です。臨界圧力以下のCO₂のような沸点/凝縮液は、圧損で降圧するとガス発生(キャピテーション)し、昇圧できないため特に注意が必要です。
  NPSHNet Positive Suction Head
NPSHava.図4の式でのプロセス的条件 (有効吸込ヘッド)
NPSHreq.ポンプ側のキャピテーション起こさないための必要条件
 超臨界でCO₂を使用する場合は、通常、沸点液を往復動ポンプで昇圧しますが、往復動による脈動により加速抵抗が発生し、流速による配管圧損に加わり、液圧P1が低下しガス発生します。このため、通常は、過冷却し沸点圧力P2を下げてポンプに供給します。
 過冷却に必要な温度は、上記のNPSHを満たす温度となりますが、NPSHava.はポンプ固有となります。
飽和点

図5. CO₂過冷却温度差、過冷却熱図

加速抵抗係数
図5に△P=NPSHava. - NPSHreq. = 0.6, 0.8, 1.0, 1.2 MPaの時の凝縮温度と過冷却温度の差を左側縦軸に、過冷却に必要な熱量を右側縦軸に示します。例えば、過冷却熱が最小となる5MPa(15.1℃飽和)と極低温容器LGCやコールドエバポレータCEの充填圧力2MPa(-17.9℃飽和)で凝縮・液化させ、昇圧する場合は下表となります。  [表示例:5MPa / 2MPa]
 △P 過冷却温度 [℃] 同温度差 [℃] 過冷却熱 [kJ/kg]
0.6 10 / -28 5.1 / 11 15.9 / 22.6
0.8 8.2 / -32 7.0 / 15 21.1 / 31.3
1.0 6.3 / -37 8.8 / 20 26.1 / 40.9
1.2 4.3 / -43 11 / 25 31.2 / 51.8
加速抵抗:往復動(レシプロ)ポンプは吸込工程で吸込配管内の液は流れ、吐出配管内の液は停止し、逆に吐出工程で吐出配管内の液は流れ、吸込配管内の液は停止します。このため脈動流となり、一旦停止した配管内の液を一斉に動かす力が加速抵抗で、 吸込配管の内径Dpが小さい程抵抗は大きくなります。
 加速抵抗= Φ / K x 配管実長さ(相当長は含まず)
  φ:加速抵抗係数、 K:ポンプ固有係数、1連&2連=1.5、3連=4.0

昇温時の境膜伝熱係数の挙動このページのトップへ

境膜伝熱係数

図6. CO₂の13.5MPa・昇温時の境膜伝熱係数の挙動

図凡例
境膜伝熱係数

図7. 13.5MPa・昇温時の境膜伝熱係数 (移動平均)

 過冷却液の昇圧後の処理温度迄の加熱をφ16mmシーズヒータの外側にCO₂を流す場合の環状部境膜伝熱係数の温度、圧力、流速による影響を試算しました。
・境膜伝熱係数hは、10℃刻みの各温度での物性値を使用し、熱伝導率に比例、Re数に0.8乗、Pr数に0.53乗として計算する。
・臨界圧に近い13.5MPaと離れた30MPaで比較する。(図3参照)
・13.5MPaでは、各温度のエンタルピー(△H)が大きく異なるため、各温度間の△Hと境膜伝熱係数を掛け合わせた移動平均との比較をする。
【結果】
a) 13.5MPa
Pr数は温度上昇と共に、粘度(比例)・熱伝導度(反比例)は低下するが、比熱(比例)が60℃で最大値を持つため、60℃で最大値を示し、以降低下していく。
Re数は密度と流速は打消し影響なしで、粘度(反比例)のみの関数となり、粘度が昇温で0.21倍となると、Re数は、1/0.21=4.8倍となる。図6では、0.88℃で、Re=30,575、120℃で、Re=147,006となる。
・各温度の境膜伝熱係数hは、この結果、 比熱の影響で60℃迄は徐々に増加し、それ以降は、Re数は増加するが、Pr数と熱電導度の低下に伴い、低下する。
・△H重み付け移動平均境膜伝熱係数(△H平均h)は、例えば80℃迄加熱する時の入口温度から80℃迄の各温度の境膜hに各温度間の△H (△△H)を掛けたものの0~80℃迄の平均値を示す。 図7に示すように、各温度の境膜hは大きく変化するが、実際の熱交換では各温度の積み重ねで昇温し、比熱が大きく△△Hが大きい温度域では、境膜hも大きいため、平準化される。例えば、80℃での境膜hは、2,300、0 → 80℃の△H平均hは、2,600kcal/㎡Hr℃となる。
b) 30MPa
境膜伝熱係数

図8. CO₂の30MPa・昇温時の境膜伝熱係数の挙動

Pr数は、粘度(比例:0.32倍)・熱伝導度(反比例:0.47倍)が低下、比熱(比例:1.05倍)が微増で、温度上昇と共に低下(0.73倍)する。
Re数は粘度(反比例)のみの関数となり、1/0.32=3.1倍となる。
境膜伝熱係数hは、この結果、3.1倍^0.8x0.73倍^0.53=2.1倍となるが熱伝導度が0.47倍のため、0.98倍で温度上昇と共に僅かに低下する。 臨界圧に近い13.5MPaと異なり、図3に示すように臨界点より離れているため、比熱他の物性値の変化が僅かのため、境膜hの変化も少ない。
c) 流量増=流速増 時
・Re数に0.8乗のため、流速が2倍になると、境膜伝熱係数は、1.74倍に増加する。
飽和点

図9. 二酸化炭素の飽和点とモルエル図

飽和物性 推算 式 : 温度・圧力、密度、エンタルピーこのページのトップへ

【飽和 温度】圧力範囲:1.5 ~ 7.0MPaG、以下の内のゲージ圧力(P)の数値を変えると温度が自動計算されます。

圧力 MPaG の飽和 温度 -17.9 ℃    データ数48点、R-2乗値 99.9990%

  使用する温度計算式(P'絶対圧=P+0.101):-4.08856E-03xP'^6 + 1.12953E-01xP'^5 - 1.26625xP'^4 + 7.46119xP'^3 - 25.5691xP'^2 + 61.0536xP' - 82.0460

【飽和 圧力】温度範囲:-20 ~ 30℃、以下の内の温度(T)の数値を変えると圧力が自動計算されます。

温度 ℃ の飽和圧力 2.0 MPaG       データ数40点、R-2乗値 99.99963%

  使用する圧力計算式:1.35024605E-12xT^6 + 3.57321224E-10xT^5 + 3.32487341E-08xT^4 + 4.41527031E-06xT^3 + 8.95007470E-04xT^2 + 9.21036210E-02xT + 3.48551415

【飽和 密度】圧力範囲:1.0 ~ 6.7MPaG、以下の内のゲージ圧力(P)の数値を変えると密度が自動計算されます。

圧力 MPaG の飽和 密度 1,022 kg/㎥    データ数23点、R-2乗値 99.9996%

  使用する液密度計算式(P'絶対圧=P+0.101):-0.0873021xP'^5 + 1.62096xP'^4 - 12.68xP'^3 + 52.0401xP'^2 - 176.223xP' + 1,252.61

圧力 MPaG の飽和ガス密度 55.4 kg/㎥    データ数23点、R-2乗値 99.9990%

  使用するガス密度計算式(P'絶対圧=P+0.101):0.0136428xP'^6 - 0.257266xP'^5 + 1.95312xP'^4 - 7.23457xP'^3 + 15.0038xP'^2 + 9.85905xP' + 6.81986

【飽和 エンタルピー】圧力範囲:0.6 ~ 6.7MPaG、以下の内のゲージ圧力(P)の数値を変えるとエンタルピーが計算されます。

圧力 MPaG の飽和 エンタルピ 461.6 kJ/kg    データ数47点、R-2乗値 99.9998%

  使用する液エンタルピー計算式(P'絶対圧=P+0.101):-0.00484446xP'^6 + 0.1442xP'^5 - 1.67693xP'^4 + 10.2138xP'^3 - 36.3533xP'^2 + 100.267xP' + 343.9

圧力 MPaG の飽和ガスエンタルピ 738.9 kJ/kg    データ数46点、R-2乗値 99.99823%

  使用するガスエンタルピー計算式(P'絶対圧=P+0.101):-0.008480221xP'^6 + 0.1882821xP'^5 - 1.730594xP'^4 + 8.339188xP'^3 - 23.48236xP'^2 + 33.88856xP' + 720.7713