all rights reserved, Copyright © SCFNET 超臨界流体NET更新日:2022.06.02 by SCFNET
SCFNETロゴ

■ 毛管力/界面張力フリー乾燥 (SuperCritical Fluid Dry)

全体観把握目的で色々な公表情報を基に作成しているため、整合性が取れない場合もあります。自ら検証して御使用下さい。

  • 1.乾燥律速と割れ・収縮
  • 2.多孔体内の乾燥挙動
  • 3.操作圧力と温度の選定
  • 4.効率乾燥:傾斜置換乾燥法
  • 5.乾燥シミュレーション
  • 6.乾燥装置
  • 7.濾過・乾燥

sitemap

目的で探す
  • HOME
  • What's New ! プロフィール!
  • 特異性と特性
  • 超臨界流体の歴史
  • 応用・適用分野 SC-CO₂
    • 抽出・除去・洗浄 :
      • 適 用 例
      • 高圧抽出例
      • セラミック脱脂例
      • 連続抽出
      • 半導体洗浄/除去
      • フロー図、シリーズ運転
    • 乾燥
    • 加飾/含侵
    • 成膜 SCFD
    • 微粒子
    • 殺菌
  • 物性図・Data SC-CO₂
    • CO₂モルエル線図(エンタルピーvs圧力)
    • CO₂密度
    • CO₂粘度
    • CO₂熱伝導度
    • CO₂定圧比熱
    • CO₂プラントルPr数
    • CO₂拡散係数
    • CO₂溶解度パラメータSP値
    • CO₂誘電率
    • CO₂蒸気圧
    • CO₂相平衡
    • CO₂表面張力
    • CO₂と樹脂
    • CO₂ 設計用 飽和近辺
  • 工業化・スケールアップ
    • 高圧ガス保安法

      消防法/危険物

    • 温室効果ガス

      CO₂回収・循環・精製

  • 国内企業webリスト
  • 海外企業webリスト
  • 主要文献 SC-CO₂
  • セミナーと開催実績
  • 超臨界水ケミカルリサイクル
  • 超臨界水・水物性
    • H₂Oモルエル線図(エンタルピーvs圧力)
    • H₂O蒸気圧
    • H₂O密度
    • H₂Oイオン積
    • H₂O誘電率
    • 露点と水分量
  • MAIL
  • その他LINK
    • 二酸化炭素回収・除去
    • 流量vs径・流速・圧損
    • アントワン式定数
    • 単位換算
    • 溶解度パラメータ(SP値)
    • 周期表
利用条件cookie利用
SCFDRY

図1. 超臨界乾燥模式図

超臨界CO₂を利用すると、乾燥中に働く応力による被処理物の密度、細孔構造の変化に伴う材料の形状や物性への影響なしに乾燥することができます。特に多孔体(シリカ/金属酸化物/カーボンなどの各種エアロゲル)、複合化粉体 (非凝集微粉)、微細パターン(半導体レジスト、MEMS)などの乾燥に際してその特徴が活かされます。

エアロゲル

図2. シリカエアロゲル

 シリカエアロゲル(左写真)の乾燥プロセスの効率化を紹介します。
 シリカエアロゲルは、①高い光透過性、②高い断熱性、③気体なみの低屈折率及び低誘電性などの特異な物性を合わせ持つ極めて特殊な多孔体で、直径数nmのシリカ粒子に より数十nmの均一な直径を持つ数珠状につながってできた極細空隙の多孔体です。シリカエアロゲルは、アルコールを分散媒としたシリカのゲル(アルコゲル)を出発原料として、その極細空隙の多孔体内に残存するアルコールを乾燥除去する ことによって製造します。
SCFDRYの割れの例

図3. 割れた例

乾燥推移の例

図4. 乾燥推移の例

このため、従来の乾燥法では界面張力で収縮、割れ(左写真:上下に大きく割れ)が発生し、超臨界乾燥法が使用されます。ところが、右図に示すようにアルコゲル内のアルコールの拡散が乾燥の律速段階(厚さ方向の中心、流れ方向の出口側 が最も乾燥に時間がかかる)になるとともに、表面張力が極小の超臨界CO₂であっても、乾燥速度を速めるために急速にアルコールを置換すると、超臨界CO₂とアルコールの界面張力によりゲルの収縮、割れが発生することが分かり ました。このため、エアロゲルのような極細空隙の多孔体を効率的に、かつ、破壊、収縮させずに乾燥させるために、
 ① 急速乾燥時の乾燥律速と収縮要因の把握(小型試験装置での乾燥状況の動的観察)、
 ② 乾燥時の多孔体内部のアルコール置換シミュレーション、
 ③ バルクと多孔体内部間のアルコール濃度差(∝界面張力∝割れ・収縮)と多孔体内の物質移動
  速度を考慮した最適化プロセスの検討ならびにシミュレーション検証、
 ④ 相平衡データに基づく乾燥終点の検討と同③含めた検証試験、
 ⑤ 上記を実現するため装置構築(均一分配・分散他)、
などの検討を行いました。
 これらの結果、乾燥容器内の流動、分散、傾斜置換乾燥(容器内アルコール濃度を傾斜的に急速置換)を考慮した超臨界CO2多槽セミ連続/多段一括乾燥工業処理装置の開発の目処が立ちました。

基礎試験とシミュレーションを連動させることにより、効率的なプロセス検討ができるだけでなく、目標とする処理費用を実現するための課題抽出と解決策の検討が可能になります。特に、超臨界CO₂は 物性が可変なため、それだけ操作変数が多くなり、シミュレーションを活用することによって工業化への道のりを短縮し、且つ、確実なものにする事ができます。

毛管力

図5. 毛管力/界面張力の模式図

1. 急速乾燥時の乾燥律速と割れ・収縮このページのトップへ

 微細構造体を乾燥させる時に、図5に示す毛管収縮力/界面張力が働き、構造体の強度によっては、破壊、或いは、収縮が起こります。超臨界二酸化炭素を使用して乾燥(Super Critical Fluid Dry)すると毛管収縮力を働かさずに乾燥することができます。SCFDは、CO₂とアルコール等の被乾燥溶媒が均一に相溶している事が 大前提となるため、乾燥条件・方法によっては、界面張力フリーのSCFDといえども上写真のように、割れや収縮が起こる乾燥律速段階が存在します。
 神戸製鋼技報(Vol.52. No.2, p39 (2002))では、各種SiO₂微粒子径(t)に対する比較的表面張力が低いフロリナートを用いた乾燥を仮定した場合の柱上梁構造モデルでの計算結果で、横軸にエアロゲルの空孔率、縦軸に毛管収縮力を示して います。技報の波線より上方の網掛けで示した部分は破壊応力を超える領域で、毛管収縮力がこの領域にまで及んだ場合、ゲルが破壊される事を示します。80%の空孔率において破壊強度は数MPa程度であるが、空孔率を高めていくと共にゲル強度 が次第に下がり、95%を超えたあたりで急激に低下します。
エアロゲルの乾燥時間と応力の関係図

図6. エアロゲルの乾燥時間
と応力の関係図

図6は、空孔率等が異なるエアロゲルを実際に超臨界乾燥した場合の乾燥(流通)時間によるゲル内に発生する応力を相対指数化したものです。CO₂の流通時間を短くするとゲル内応力指数が大きくなり割れ やすくなります。ゲルの抵抗指数が大きくなる(ゲルからアルコールが抽出されにくくなる)ほど、応力指数が大きくなり、割れやすくなり、流通時間を長くしなければならない事を示しています。

拡散モデル図

図7. 拡散モデル図

2. 多孔体内のアルコール等の乾燥挙動

 シリカエアロゲル等の多孔体内のアルコールの乾燥挙動は、右図の拡散モデル図に示すエアロゲル表面近傍の境膜とゲル/固体内の拡散で説明できます。計算式等は、神戸製鋼技報/Vol.42. No.3, p83 (1992)に 詳細が示されています。乾燥速度は、一般に次の二つの因子に比例します。
 ① 総括物質移動係数(K)(CO₂側の境膜物質移動係数(kf)等の処理条件(圧力・温度・流量)などに依存)
 ② ドライビングフォース(乾燥対象物の飽和濃度と境膜での濃度差)

エアロゲル乾燥状況

図8. 平板エアロゲル断面の乾燥状況

 図8は、シリカエアロゲルを模擬した乾燥シミュレーションによるアルコールの乾燥(抽出)状況を示しており、上記②ドライビングフォースが比較的大きな状態で、中心から表面への拡散/物質移動状況を示しています。
 乾燥速度を決定する総括物質移動係数(K)は、超臨界CO₂側の境膜物質移動係数(kf)と多孔体の内部境膜物質移動係数(kin)の逆数和の逆数によって計算されます。エアロゲル表面とバルク超臨界CO₂の境界面である境膜の物質移動の速さを 示す境膜物質移動係数(kf)は、超臨界
相互拡散係数

図9. 相互拡散係数図

状態では動粘度が小さく自然対流の影響が顕著となるような低レイノルズ数領域では超臨界CO₂の流量が顕著に増加しても、僅かしか増加しません。 このため、両境膜物質移動速度の適切な配分設計、即ち適切な超臨界CO₂流量設定によって効率的な処理が可能となり、その結果、経済性が大きく改善されます。

図9にCO₂とIPAの2成分系の相互拡散係数を示します。境膜物質移動係数(kf)は、相互拡散係数(D)に比例します。このため、圧力が低く、温度が高い方が拡散係数は大きくなり、多孔体内の物資移動速度が早くなります。 CO₂拡散係数、物質移動係数についてはこちらも参照下さい。


3. 操作圧力と温度の選定このページのトップへ

 多孔体を乾燥するためには、乾燥させる被溶媒(アルコール)と超臨界CO₂の混合2成分系の臨界圧力以上、温度以下で混合2成分系の気液平衡線を横切らないように操作する事が必要条件です。例えば、超臨界CO₂とIPAの2成分系の場合は、 以下のようになります。アルコールと超臨界CO₂の混合2成分系の相平衡図はこちらを参照下さい。
(図9参照)  二相領域点、 理想操作点、 同左拡散係数
モリエル線図
        (Clickで拡大します)
  操作温度が121℃時の圧力:■ 13.3 MPaG、 14.8 MPaG、 3.51 E-08 (100%)
100℃時の圧力:■ 12.9 MPaG、 14.4 MPaG、 3.21 E-08 ( 91%)
80℃時の圧力:■ 12.1 MPaG、 13.4 MPaG、 2.89 E-08 ( 82%)
60℃時の圧力:■ 10.6 MPaG、 11.8 MPaG、 2.48 E-08 ( 70%)
40℃時の圧力:■ 8.3 MPaG、  9.2 MPaG、 1.93 E-08 ( 55%)
    注記:理想操作点:脈動等の圧変動を考慮し、二相領域点(圧力)/0.9とした圧力。
 上記の条件を満たした上で、以下の観点から総合的に操作圧力と温度を選定します。

表1. 各種アルコールの物性
名 称 沸点  蒸気圧@25℃臨界圧力臨界温度SP値爆発限界分子量
メタノール65℃17kPa8.1MPa239℃29.26.0~36vol%32
エタノール78℃7.9kPa6.4MPa243℃26.43.3~19vol%46
イソプロパノール(IPA)82℃6.0kPa4.8MPa235℃23.52.0~13vol% 60
CO2-78℃ - 7.4MPa31℃12.8@20MPa,60℃44

注記:上記アルコールは、沸点以上で、且つ、1MPaG以上の液は、
    高圧ガス保安法の液化ガスに該当しますので注意が必要です。

① 乾燥速度(物質移動):低圧力、高温度
② 設備投資額:低圧力、低温度
③ エネルギー効率:低圧力 (温度は所定温度迄影響なし。
   IPAで14MPa運転の場合は90℃)
④ 乾燥終点:高温度(CO₂ガス相濃度)
⑤ 減圧性:高温度(CO₂液・ドライアイス発生回避)
⑥ 安全性:低圧力、低温度(漏出時挙動)
乾燥時間

図10.圧力・温度による乾燥時間影響

圧力と温度によるCO₂拡散係数の違いにより、乾燥終了時間は、図10に示すように、同一CO₂流量時の14MPa、80℃と20MPa、40℃では約半分になる場合もあります。同様にCO₂による乾燥終了時間の影響も示しています。

傾斜置換乾燥法

図11. 従来法と傾斜置換乾燥法

4. 効率乾燥法:傾斜置換乾燥法  (特開2005-334,871、特許4,928,090)このページのトップへ

 湿潤エアロゲルは、大気中に放置すると毛管収縮力により割れが発生します。超臨界乾燥の場合は、昇圧時の割れを防止するために、圧力容器内のアルコールにエアロゲルを浸した後にCO₂で昇圧しますが、圧力・温度の均一相条件に到達しても、 超臨界CO₂とアルコールとは二相(超臨界相と液相)を形成します(平衡という静的と動的条件の差異)。また、多孔体のゲル内はアルコールのみのため、ゲル表面とバルク超臨界CO₂との間に界面を生じ、その結果、毛管収縮力が働き、割れ、収縮が起こります。

傾斜置換

図12.傾斜置換乾燥:流量変更パーン例

図11の上は、これを避けるために2成分系の均一相の圧力・温度条件に到達した後に超臨界CO₂を流さずに保持し、拡散により二相から均一相に変わった後に超臨界CO₂を流した例です。乾燥終点をガスクロ(GC)によりアルコール残存濃度を確認して乾燥操作を終えています。
 これに対し、図11の下は、傾斜置換乾燥法(循環乾燥法)で乾燥させた例で、図12に示すようにCO₂流量を徐々に増やすと共にアルコール供給流量を減らし、乾燥容器内のアルコールの濃度を徐々に減らす事により、従来乾燥法と比較し、 乾燥時間が1時間半短縮できる事が検証されています。(特開2005-334,871、特許4,928,090)

エアロゲル乾燥容器

図13.エアロゲル乾燥容器

 エアロゲルを工業的に超臨界CO₂で乾燥する場合には、図13に示す容器等を使用して、多数枚のゲルを一度に処理する必要があります。特に、超臨界CO₂の流れ方向にエアロゲルの長さがある場合には、 従来乾燥法では均一相化するのに多大な時間が必要になります。傾斜置換乾燥法では、ゲル表面のアルコール濃度を任意に強制的に変化させる事が可能なため、毛管収縮力とドライビングフォースを制御でき、効率的な乾燥法と乾燥装置のスケールアップ設計を可能にします。

傾斜置換乾燥法シミュレーション

図14. 傾斜置換乾燥法シミュレーション

 5. 乾燥シミュレーションこのページのトップへ

 エアロゲルの乾燥は、多孔体内の拡散律速のため、工業規模装置の検討時には、バルク超臨界CO₂と多孔質内のアルコール濃度の挙動を十分に検討する必要があります。
 多数枚のゲルを同時乾燥する事を模擬したシミュレーションにて、各種検討が行なわれています。その結果の例を図4と図14に示します。図14トップ図は、処理時間でのゲル断面でのアルコール分布の経時変化を示しており、 超臨界CO₂の流れ方向の出側とゲル中心部ほどアルコール濃度が高く、乾燥に時間がかかることが分かります。
 図14は、傾斜置換乾燥法で容器バルク中のアルコール濃度を100%から0%まで時間をかけて制御しながら低下させた場合の乾燥容器の入口側と出口側の各々のアルコール濃度の経時変化を示します。上図は超臨界CO₂供給流量を変化させた場合、 中図はゲル厚みが20mmtと10mmtの場合で、傾斜時間が3時間。下図は傾斜時間が6時間と3時間の場合を示します。いずれも、容器入口と出口では30分から2時間強の乾燥時間の開きがあり、ゲル厚みが薄く、超臨界CO₂供給流量が多いほど、その 差は小さく、全体の乾燥時間が短くなります。

フロー図

図15. 傾斜置換乾燥法のフロー例

 6. 乾燥装置このページのトップへ

工業規模乾燥装置で傾斜置換法を採用する場合の概略フローを図15に示します。容器VesselBにエアロゲルを設置し、アルコールで容器内を満たしたのち、循環ポンプを稼働させ、容器VesselB内をアルコールで循環開始し、その後、CO₂Pumpを稼働させ、 アルコール循環ラインに供給します。供給したCO₂量分だけアルコール濃度が低下し、分離器Separatorに圧維持のための圧力制御弁から排出され、アルコールが分離され、CO₂は循環供給されます。CO₂が供給された分だけ容器内のアルコール濃度は下がり、 最終的にはCO₂に置き換えられて乾燥されていきます。
 エアロゲルの装填・払出は、蓋開閉が自動化されたバッチ式乾燥容器を使用して行われます。装填・払出の間、乾燥容器への超臨界CO₂の供給が停止されます。多孔体の乾燥は、拡散律速のため、上記4項のGC(ガスクロ)濃度に示すように乾燥容器から排出される 超臨界CO₂中のアルコール濃度は、乾燥後半では低濃度(3wt%以下)となり、CO₂の利用効率が非常に悪くなります。このため、抽出・除去/洗浄に示すシリーズ運転(複数抽出器を直列に繋ぎ、半連続供給であったCO₂流体を完全連続で供給) ように、複数の乾燥容器を直列に繋ぎ、超臨界CO₂を流す事により、効率的に利用する事ができます。且つ、加熱/冷却、CO₂分離・回収等の循環工程、分離工程のスリム化に繋がり、全体設備費及び用役(ユーティリティ)費の低減が図れ、よ り経済的なシステムになります。

濾過・乾燥図

図16. 濾過・乾燥 一貫ステップ図


濾過・乾燥図

図17. CO₂-EtOH平衡データと濾過・乾燥 操作線

7. 濾過・乾燥このページのトップへ

ナノ粒子などを含むアルコール・スラリー液を通常の方法で濾過・乾燥すると乾燥時に働く粒子間の界面張力で、粒子が強く二次凝集する場合があります。超臨界CO₂を使用して濾過・乾燥すると一つの容器で界面張力による二次凝集を 抑制した濾過・乾燥を実現することが可能な場合があります。同一容器内で濾過・乾燥を行う手順は以下のようになります。

濾過・乾燥一貫工程の密度関係図

図18. 濾過・乾燥一貫工程の密度関係図

濾過・乾燥一貫工程の拡散係数関係図

図19. 濾過・乾燥一貫工程の拡散係数関係図


①アルコール溶液置換である濾過工程は、以下の条件による、疑似プラグフロー型流通でアルコール溶媒を下から上へ押し出す:
・液化CO₂、20MPa、25℃ ⇒ 914kg/m³(図18)
・ポイント:アルコールよりも大きい密度条件で、アルコールとの二相領域を横切らない条件(図17)選定
② ナノ粒子中の乾燥(溶媒抽出)は、物質移動速度が速くなる条件にて、アルコールを抽出・乾燥する:
・超臨界CO₂、12MPa、50℃ ⇒ 591kg/m³(図18)
・ポイント:アルコールとの二相領域を横切らない条件(図17)で、拡散係数が大きくなる低圧・高温条件(図19)を選定

超臨界CO₂中では、界面張力フリー乾燥が可能で、上記の①濾過工程と②乾燥工程を連続して行う事により、粒子間で働く界面張力が緩和、凝集しにくくなります。

置換実測値図

図20. 濾過・乾燥の置換実測値図

エタノールナノ粒子の濾過・乾燥を実際に実施した時の結果を図20に示します。ビンク色破線は、理論置換曲線で、置換回数 = 供給量/ 液容積が1回の時は、置換数が1、即ち、プラグフローで液容積分が完全置換される事を示します。これに対し、 実測値は、置換回数0.62の時に、回収された液量 = 置換数は、0.47、置換回数1.2の時に、置換数は0.75でした。①濾過工程では、容器下側からプラグフロー的に液化CO₂を流しましたが、実際には自己拡散による逆流、ナノ粒子内への拡散などで、。

  • 委託業務
  • お問い合わせ
THANKS! 又、どうぞ
●TOP ●HOME ●What's New! Profile! ●応用・適用分野 ●国内WEB ●海外WEB ●MAIL ●サイトマップ

footerイラスト footerイラストfooterイラスト

注記:使用数値・図は全体観を把握する事が目的で、試験研究・設計等に使用する事を前提としていません。記載内容を利用される場合は自ら数値等を確認・検証し、自らの責任にてご使用下さい。 このページのトップへ
all rights reserved, Copyright © SCFNET 超臨界二酸化炭素⇑このページのトップへ