九月尽遥に能登の岬かな 暁台
迢空
緑濃き 能登の島かも。海ぎはまで、かたぶく畠に 穂麦赫れる
大空に長き能登ありお花畑 青畝
早桃噛んで能登の入江を渡りけり 普羅
能登曇り十六宵草の露しとど 普羅
ハマナスや能登の目覚めに潮匂ふ 普羅
能登を越す西風つよし粽煮く 普羅
鯖寄るやあけくれ黄ばむ能登の麦 普羅
囮かけて能登宝達は安らけし 普羅
能登人にびようびようとして吹雪過ぐ 普羅
能登の海鮟鱇あげて浪平ら 普羅
能登の畑打つ運命にや生れけん 虚子
足袋あぶる能登の七尾の駅火鉢 綾子
能登瓦ばかりなりけり朝焼けて 登四郎
巌楯に胡麻咲かせ能登珠洲郡 登四郎
胡麻咲かせ流人めくなり岬人 登四郎
岬人の刈り負ふ草に山羊蹤けり 登四郎
雪の田の千枚能登の海に落つ 青畝