宿々は皆新茶なり麦の秋 許六
病人の駕も過けり麥の秋 蕪村
麦秋や何におどろく屋ねの鶏 蕪村
麦秋や一夜は泊る甥法師 蕪村
深山路を出抜てあかし麦の秋 太祇
麦秋や馬に出て行馬鹿息子 太祇
麦秋や埃にかすむ昼の鐘 太祇
我隣蚕に交る麦の秋 青蘿
穂にむせぶ咳もさはがしむぎの秋 太祇
麦秋やふと居馴染る伊勢参 一茶
黒い穂もなまめき立り麦の秋 一茶
麦秋や子を負ながらいはし売 一茶
麦秋や土台の石も汗をかく 一茶
山寺は碁の秋里は麦の秋 一茶