躬恒
今更になに生ひいづらん竹の子のうき節しげきよとは知らずや
赤染衛門
おやのためむかしの人はぬきけるをたけのこによりみるもめづらし
竹の子のひとよひとよと都哉 才麿
たかうなや雫もよよの篠の露 芭蕉
うきふしや竹の子となる人の果 芭蕉
竹の子や幼き時の絵のすさび 芭蕉
竹の子や児の歯ぐきのうつくしき 嵐雪
竹の子に身をする猫のたはれ哉 許六
竹の子の力を誰にたとふべき 凡兆
竹子に雨の降日や小家がち 涼菟
竹の子やその日のうちにひとり立 千代女
竹の子や何を踏えて水の上 千代女
筍や盗人に縄かけらるゝ 也有
笋の藪の案内やをとしざし 蕪村
筍や甥の法師が寺とはん 蕪村
笋や柑子ををしむ垣の外 蕪村
笋や垣のあなたは不動堂
堀食ふ我たかうなの細きかな
笋やしづかに見れは草の中 召波
笋やひと夜にかづく八重葎 暁台
笋を堀部弥兵衛や年の功 太祇
筍のすへ筍や丈あまり 太祇
たけの子や己が葉分に衝のぼる 太祇
笋やほりつゝ行けばぬいた道 太祇
雨あれて筍をふむ山路かな 太祇
笋のウンプテンプの出所哉 一茶
曙覧
みさかなはなにはあらめとこゆるぎの急ぎ掘きて煮たるたかんな