和歌と俳句

金雀枝 えにしだ

えにしだの夕べは白き別れかな 亜浪

えにしだの黄色は雨もさまし得ず 虚子

エニシダの花にも空の青さかな 杞陽

えにしだに暁起きの眉洗ふ 誓子

えにしだの幾日か過ぎて日々つとむ 誓子

金雀枝や基督に抱かると思へ波郷

えにしだの黄にむせびたる五月かな 万太郎

ひながき日にごり金雀枝黄をつくす 彷徨子

連翹に継ぐ金雀枝の黄は強し たかし

金雀枝の黄金鈍れば小神鳴 たかし

金雀枝や日の出に染まぬ帆のひとつ 秋櫻子

金雀枝や鞆の津見せぬ朝の靄 秋櫻子