和歌と俳句

粽 ちまき

ほつつほつ古歌でほどいて芦粽 来山

頼政がはね箸したり菰粽 来山

先三つを神にたむけてこもちまき 来山

あすは粽難波の枯葉夢なれや 芭蕉

粽結ふかた手にはさむ額髪 芭蕉

文もなく口上もなし粽五把 嵐雪

賑にちまきとくなり座敷中 路通

幟とも竹のよしみや笹粽 也有

粽解て芦風の音聞ん 蕪村

粽はけて淀のゝあらしわたるかな 暁台

笹粽わけ来し道のおもはるゝ 白雄

なぐさめて粽解なり母の前 太祇

粽とく二階も見ゆる角田川 一茶

猫の子のほどく手つきや笹粽 一茶


故郷は昔ながらの粽かな 虚子

あはれさは粽に露もなかりけり 子規

不出来なる粽と申しおこすなる 漱石

女房の古りにけるかも笹粽 虚子

僧俗の交りあはき粽かな 虚子

粽解いて道光和尚に奉らむ 龍之介

臀立てて這ふ子おもふや笹ちまき 龍之介

粽師の古き都に住ひけり 碧梧桐

時鳥繁く鳴く夜の粽かな 喜舟

三方に恭しさの粽かな 喜舟

男の子うまぬわれなり粽結ふ 久女

六助の碑に恋もなし笹粽 久女

ちまき子に夫に供へ気が済んで 

葉の色の蒸しあがりたる粽かな 石鼎

結ひし藺のつよくぬれゐる粽かな 石鼎

笹粽ほどきほどきて相別れ 茅舎

乾山の彼の鉢出でぬ笹粽 たかし

粽解く斯く虔しく生き継がむ 波郷

粽蒸すけむりのぼれり青杉添ひ 林火