和歌と俳句

藜 あかざ

芭蕉
やどりせむあかざの杖になる日まで

惟然
我寺の藜は杖になりにけり

子規
隠れ家に夏も藜の紅葉哉

碧梧桐
草茎をさしたる梢藜かな

虚子
鎌とげば藜悲しむけしきかな

蛇笏
鎌かけて露金剛の藜かな

麦南
暾にぬれて露七宝のあかざかな

蛇笏
荼毘のあと炭いつまでも藜草

波郷
隠すなし藜諸共水浴び立つ

楸邨
一椀の藜の粥にかへりきぬ