芍薬

芍薬やはきもの失る水駅 暁台

芍薬に甕すゑたる旅路かな 暁台

芍薬や四十八夜に切つくす 白雄

芍薬はかよわき花のうてなかな 青蘿


晶子
緋芍薬さします毒をうけしより友のうらやむ花となりにき

晶子
あやしむなわれと火焔にやかれては姿ぞほそきひと重芍薬

利玄
芍薬の黄いろの花粉日にただれ香をかぐ人に媚薬吐く

活けられしまま開く芍薬に日影這へり 山頭火

晶子
仏蘭西の紅き芍薬それなども喜びとして我の目に見ゆ

我が持つ一桶の水と芍薬の莟 碧梧桐

利玄
瓶にさす白芍薬に蟻つけり季節の花のこの鮮らしさ

利玄
瓶にさす芍薬の花茎長にかたむきかかりて此方に薫る

芍薬に頭痛はげしき女かな 草城

芍薬を剪るしろがねの鋏かな 草城

左右より芍薬伏しぬ雨の径 たかし

芍薬の花にふれたるかたさかな 虚子

芍薬や雨にくづれて八方に 青邨

芍薬や横顔うすき病上り 草城

芍薬の咲ける井ありて水を乞ふ 悌二郎

芍薬の蕾の玉の赤二つ 普羅

草高し芍薬の花いつかなし 風生

芍薬は降臨祭花市にひさぐ 青邨

緑金の蟲芍薬のただなかに 蛇笏

供華のため畦に芍薬つくるとか 虚子

芍薬や医をわすれゐる今日の閑 秋櫻子

芍薬にはねたる泥の乾きゐる 風生

芍薬の蕾をゆする雨と風 普羅

芍薬や土這へる蜂風の蜂 素十

芍薬の赤き花辮白き蕋 素十

芍薬のはなびらおつるもろさかな 万太郎

芍薬の一と夜のつぼみほぐれけり 万太郎

芍薬や伊賀の古壺漏るままに 秋櫻子

蕾日に焦げんとしては芍薬咲く 草田男

芍薬の花を愛でつつひもじけれ 草城

芍薬の白の一華をたてまつる 草城

芍薬や枕の下の金減りゆく 波郷

芍薬の蕊の濃き黄にさへ愁ふ 万太郎

芍薬や水分の神霧に寂び 秋櫻子

芍薬や遠雲ひらく諏訪平 秋櫻子

芍薬や棚に古りける薬箱 秋櫻子

芍薬の白きも雨に伏さんとす 悌二郎

芍薬や丹波の壺のざらざらと 青畝

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