海士の顔先見らるるやけしの花 芭蕉
ちり際は風もたのまずけしの花 其角
青雲や馬鍬やすむる昼の罌粟 丈草
舟乗りの一浜留守ぞけしの花 去来
掃庭やこぼれたままにけしの花 支考
けしの花我身わすれし月日哉 千代女
けしの花籬すべくもあらぬ哉 蕪村
露たかき麦の見こしや芥子の花 暁台
しら芥子に焚火移ふや嵯峨の町 暁台
汐かぜや砂ふきかゝるけしの花 暁台
花罌粟にくむで落たる雀かな 白雄
白罌粟や片山里の朦の中 太祇
白芥子の美人かくるゝ草の庵 青蘿
白罌粟に照りあかしたる月夜哉< 青蘿
白罌粟に煤はく家や加茂の里 几董
芥子の花がうぎに雨の一当り 一茶
生て居るばかりぞ我とけしの花 一茶
花げしのふはつくやうな前歯哉 一茶
清書の赤い直しや芥子の花 一茶
僧になる子のうつくしやけしの花 一茶