金葉集 秦兼久
おなじくはととのへて葺けあやめ草さみだれたらばもりもこそすれ
金葉集・恋 前斎宮河内
逢ふことのひさしに葺ける菖蒲草ただかりそめのつまとこそみれ
経信
澤水に衛士のおりひくあやめ草きみがうてなにいはひふくらし
式子内親王
今日はまた葺きそへてけり蘆のやの小屋の軒ばもあやめ隙なく
定家
春たちし年もさつきの今日きぬとくもらぬ空にあやめふくなり
定家
けふといへば蓬の若葉かりそへて宮も藁家もあやめふくなり
俊成
難波人あしまのあやめ葦の屋にやがて添へてや今日は葺くらむ
雅経なにはなる あしまをしげみ かきわけて けふはたおなじ あやめをぞ葺く
定家
あやめ草ふくや皐月のながきひにしばしをやまぬ軒の玉水
実朝
袖ぬれてけふ葺く宿のあやめ草いづれの沼にたれかひきけむ
いまふきしあやめにくもの工哉 白雄
ほり上てあやめ葺けり草の庵 太祇
菖蒲ふけ浅間の烟しづか也 一茶