新樹

しら雲を吹尽したる新樹かな 才麿

伊勢船を招く新樹の透間哉 素堂

煮鰹をほして新樹の烟哉 嵐雪

隣には木造のぼる新樹哉 太祇


日々に色かはりゆく新樹かな 虚子

池の雨晴れゆく藪の新樹かな 石鼎

大風にはげしく匂ふ新樹かな 草城

星屑や鬱然として夜の新樹 草城

日かげりて風色澄める新樹かな 草城

雨意やがて新樹にひそと降りいでし 草城

隙々を白雲わたる新樹かな 泊雲

鹿呼べば川渡り来る新樹かな みどり女

借りてさす傘美しき新樹かな みどり女

瀧浴のまとふものなし夜の新樹 誓子

訪はんとす旧き門辺の新樹かな 秋櫻子

夜の雲に噴煙うつる新樹かな 秋櫻子

焼岳のこよひも燃ゆる新樹かな 秋櫻子

めざましく日のあたりゐる新樹かな 草城

水音の中に句を書く新樹かな 水巴

上水に垂れ下りたる新樹かな 青邨

朝の虹ひとり仰げる新樹かな 波郷

入江なす潮むらさきに新樹かな 秋櫻子

新樹かげ朴の広葉は叩き合ふ 普羅

ゆふぐれの風にもまるる新樹かな 万太郎

白き花一枚敷ける新樹かな 青邨

白きもの乾きつらなる新樹かな 草城

三段に重り見ゆる新樹かな 立子

雨けぶる新樹書屋の墨竹図 麦南

新樹の戸あけるを待つに夜のあらし 悌二郎

新樹濃し日は午に迫る蝉の声 久女

火口壁かたむき新樹せまりたり 秋櫻子

顔打つて新樹の風のくだけ散る 汀女

傘かしげ新樹の雨のはげしさに 汀女

廚着をつけて身軽し夜の新樹 汀女

新樹どち裹まんとして溢れんとす 草田男

ひとり行く新樹の夜道砥の如し 汀女

新樹耀りクロームコンタックス冷ゆる 草城

新樹濡れあたたかき牛乳なみなみと 草城

人通りをりから絶えし新樹かな 万太郎

新樹に鴉手術室より血が流れ 三鬼

犬も唸る新樹みなぎる闇の夜は 三鬼

手を碗に孤児が水飲む新樹の下 三鬼

新樹下を馳す看護婦面もわかず 波郷

一新樹一戸と武蔵野につづく 爽雨

この新樹月光さへも重しとす 青邨

新樹濃し一夜の旅に面やつれ たかし

新樹みな幹まつ黒に雨どどど 立子

新樹光うけて香炉の朝の冨士 悌二郎

食慾の全然なき日新樹は輝り 草城

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