草刈にお手はと問はば金銀花
影法師を寺にも建る幟かな
幟とも竹のよしみや笹粽
言ひまけて一羽は立か行々子
さみだれや入日いり日を見せながら
五月雨や背戸に盥の捨小ぶね
男より女いそがしさ月晴
傘にたゝみこみけり鍋牛
寝くらして鷺は染らぬ青田かな
箒木やまた蜘の巣に負て居る
ゆふ顔や挑灯つるす薬師堂
昼寝した手に持て居る 団かな
此松も柳にしたき清水かな
物申の声にもの着るあつさ哉
牛も笛もなき草刈のあつさ哉