和歌と俳句

団扇 うちわ

月に柄をさしたらばよき団扇かな 宗鑑

物おもふ暮や黄色なぬり団 才麿

団扇もてあふがん人のうしろむき 芭蕉

うすものの風情日に張る団哉 其角

楽遁は宇治殿さへも渋団扇 野坡

我や先団扇にうごく袋かな 千代女

絵團のそれも清十郎にお夏かな 蕪村

任口に白き団をまいらせむ 蕪村

うす雲に哥や望まむ白うちは 召波

あふぎける団を腕に敷寐かな 太祇

書棄し歌もこし折うちは哉 太祇

扇とる手へもてなしのうちは哉 太祇

うたゝ寐の夢想書とる団かな 几董

子ども等が團十郎する団扇哉 一茶

老たりないつかふしろへさす団扇 一茶

団扇の柄なめるを乳のかはり哉 一茶