和歌と俳句

向日葵 ひまわり

日まはりの花心がちに大いなり 子規

千樫
あからひく日にむき立てる向日葵の悲しかりとも立ちてを行かな

晶子
水無月の青き空よりこぼれたる日の種に咲く日まはりの花

利玄
恐ろしき黒雲を背に黄に光る向日葵の花見ればなつかし

牧水
向日葵のおほいなる花のそちこちの弁ぞ朽ちゆく魂のごとくに

向日葵や腹減れば炊くひとり者 石鼎

茂吉
向日葵は諸伏しゐたりひた吹きに疾風ふき過ぎし方にむかひて

茂吉
さ庭べに竝びて高き向日葵の花雷とどろきてふるひけるかも

憲吉
おほほしく曇りて暑し眼のまへの大き向日葵花は搖すれず

憲吉
くもりたる四邊を聞けば向日葵の花心にうなる山蜂のおと

憲吉
なやましく漸く嵐の吹きたれば重くすすれし向日葵の花

利玄
心がちに大輪向日葵かたむけりてりきらめける西日へまともに

向日葵や月に潮くむ海女の群 麦南

千樫
まひるの潮満ちこころぐし川口の橋のたもとのひまわりの花

千樫
大きなる蕊くろぐろと立てりけりま日にそむける日まはりの花

千樫
大き花ならび立てども日まはりや疲れにぶりてみな日に向かず

千樫
疲れやすき心はもとな日まはりの大きくろ蕊眼に仰ぎ見る

日まはりこちら向く夕べの机となれり 放哉

向日葵もなべて影もつ月夜かな 水巴

晶子
よそめには盛んなること太陽をしのぐと知らぬ向日葵の花

牧水
花園の 花のしげみを 抜き出でて ゆたかに咲ける 向日葵の花

向日葵活けて妻は仏の心かな 石鼎

向日葵の瓣の乱れや蕊にまで 石鼎

晶子
おりたちて水を灌げる少年のすでに膝まで及ぶ向日葵

葉をかむりつつ向日葵の廻りをり 虚子

日天やくらくらすなる大向日葵 亞浪

向日葵の月に遊ぶや漁師達 普羅