和歌と俳句

向日葵 ひまわり

向日葵の貌らんらんと空中戦 赤黄男

向日葵を咲かせ心に兵がある 鷹女

亡びゆく国あり大き向日葵咲き 鷹女

向日葵黄に一碗の水を尊み住めり 鷹女

ひまはりの昏れて玩具の駅がある 鷹女

小向日葵わが広額に納まるらん 草田男

向日葵のほむらのさめて月にあり 花蓑

向日葵のひらきしままの雨期にあり 汀女

向日葵やガード都の門をなす 草田男

われら栖む家か向日葵夜に立てり 誓子

向日葵うしろに蹠の砂かわくまで 林火

向日葵や海に疲れてねむる子ら 林火

向日葵や漁婦の乳房の垂れ下り 林火

きのふわが夢のかけらの小向日葵 楸邨

向日葵や翼下となりて鳴り響む 誓子

向日葵の弁に西日の仮借なく 誓子

向日葵のやや俯向きに海荒ぶ 誓子

向日葵や一本の径陰山へ 楸邨

向日葵は連山の丈空へ抽く 草田男

山の陽は木と水の友向日葵澄む 草田男

向日葵や椅子はそれぞれ海に向く 林火

茂吉
たかだかと日まはりの花並びたりけふは曇りの厚らになりて

日まはりや永歎きしてうとまるる 草田男

蜂あまたゐてひまはりの花芯細し 林火

向日葵を剪るみほとけの花ならず 鷹女

縋らむとして向日葵もかなしき花 鷹女