和歌と俳句

青田

谷風や青田をまはる庵の客 丈草

朝起の顔ふきさます青田哉 惟然

延るほど鷺はみじかき青田哉 也有

寝くらして鷺は染らぬ青田かな 也有

塵塚の髑髏にあける青田かな 蕪村

傘さしてふかれに出し青田かな 白雄

むら雨の離宮を過る青田哉 召波

我庵はひる寐する間に青田かな 青蘿

喜雨亭に夕風わたる青田かな 几董

父ありて明ぼの見たし青田原 一茶

背戸の不二青田の風の吹過る 一茶

焼つりに一夜に直る青田哉 一茶

良寛
五月雨の晴れ間に出でてながむれば青田凉しく風わたるなり

中をふむ人や青田の水車 子規

日本の国ありがたき青田哉 子規

大慈寺の山門長き青田かな 漱石

大沼に小沼も近き青田かな 碧梧桐

山裾を白雲わたる青田かな 虚子

鮎川へ暫く沿へる青田かな 万太郎

萬降寺塀のはづれの青田かな 万太郎

刀根の水ゆたかにひきし青田かな 喜舟

青田中大師の甍据わるかな 喜舟

鰹木に藤房垂るる青田かな 石鼎

山里は岩藤たるる青田かな 石鼎

雑木に藤房たるる青田かな 石鼎

風すぢの雨にも透る青田かな 龍之介

川藪に夕靄下りし青田かな 泊雲

千樫
青田のなかをたぎちながるる最上川齋藤茂吉この國に生れし

青田貫く一本の道月照らす 亞浪