和歌と俳句

茅の輪

手をかけて品のよからぬ茅の輪かな 言水

一番に乙鳥くぐるちのわ哉 一茶

神前に眞近く出来し茅の輪かな 虚子

夕風にさやぎいでたる茅の輪かな 禅寺洞

茅の輪くゞりて今年も守れる命かな かな女

をのこ抱き茅の輪をくぐる胸白き 青邨

一円に一引く注連の茅の輪かな たかし

一円を立てて茅の輪に内外あり たかし

人絶えて一円立てる茅の輪かな たかし

鳥居ぬけ茅の輪くぐりて神の前 たかし

神前や一日茅の輪の浅みどり たかし

夜詣や茅の輪にさせる社務所の灯 虚子

茅の輪くぐり星降る夜空詣でけり 立子

社務所の灯茅の輪に及び夜更けをり 立子

暁の磴あり茅の輪貫けり 青畝

ふるさとの茅の輪魯に立てりける 青畝

住吉の砂の音聞く茅の輪かな 青畝