子規茗荷よりかしこさうなり茗荷の子
鬼城茗荷汁にうつりて淋し己が顔
鬼城茗荷汁つめたうなりて澄みにけり
亜浪舌さらさらといつまで残る茗荷の香
麦南茗荷掘る市井の寸土愉しめり
山頭火朝は涼しい茗荷の子
友二胸閉ぢて混り食ふなり茗荷汁
林火日は宙にしづかなものに茗荷の子
耕衣家族いま人形の如し茗荷汁
耕衣金色に茗荷汁澄む地球かな
耕衣茗荷汁如何なる道を外したる
耕衣今前を一寸思はんや茗荷汁