和歌と俳句

茗荷の子

子規
茗荷よりかしこさうなり茗荷の子

鬼城
茗荷汁にうつりて淋し己が顔

鬼城
茗荷汁つめたうなりて澄みにけり

亜浪
舌さらさらといつまで残る茗荷の香

麦南
茗荷掘る市井の寸土愉しめり

山頭火
朝は涼しい茗荷の子

友二
胸閉ぢて混り食ふなり茗荷汁

林火
日は宙にしづかなものに茗荷の子

耕衣
家族いま人形の如し茗荷汁

耕衣
金色に茗荷汁澄む地球かな

耕衣
茗荷汁如何なる道を外したる

耕衣
今前を一寸思はんや茗荷汁