和歌と俳句

凌霄花

家毎に凌霄咲ける温泉かな 子規

利玄
夏来れば築地の朝の好もしさ海の風吹く凌霄花

のうぜんの花を数へて幾日影 漱石

凌霄や長者のあとのやれ築土 龍之介

白秋
高々とのうぜんかづら咲きにけりただにあはれと観つつ籠らむ

のうぜんの暮れて色なし山の家 亞浪

凌霄花落ちてかかるや松の上 青邨

たのみたる雨雲それぬ凌霄花 淡路女

凌霄のかづらをかむり咲きにけり 夜半

のうぜんや眞白き函の地震計 草城

夜どほし浴泉があるのうせんかつら 山頭火

凌霄花や子は道の上に絵をかける 立子

やつぱりお留守でのうぜんかづら 山頭火

あつい温泉が湧いてのうせんかつらの花が咲いて 山頭火

のうぜんや海近ければ手狭でも みどり女

塵とりて凌霄の花と塵すこし 素十

凌霄に井戸替すみし夕日影 麦南

凌霄花の朱に散り浮く草むらに 久女

凌霄花や問ふべくもなき門つづき 汀女

今日の日の凌霄花にまで傾きし 汀女

噴井あり凌霄これを暗くせり 風生

凌霄花に沈みて上るはね釣瓶 立子

凌霄は妻恋ふ真昼のシヤンデリヤ 草田男

雨のなき空へのうぜん咲きのぼる 素逝

松高き限りを凌霄咲きのぼる 多佳子

風の凌霄ここの覧きれいな岩木山 草田男

凌霄花の咲き垂れし門父母います 楸邨