和歌と俳句

向日葵 ひまわり

さはる向日葵バラック錆びて干柿色 不死男

税重し向日葵の影鉄管に 不死男

向日葵にひたむきの顔近づき来 波郷

葉をかむりつつ向日葵の廻りをり 虚子

向日葵が咲くのみ運河廃るるか 秋櫻子

向日葵の大輪切つてきのふなし 鷹女

向日葵や患家の暗さ医も驚く 誓子

向日葵や咲く前に葉の影し合ひ 波郷

向日葵の一茎がくと陽に離る 鷹女

がつくりと祈る向日葵星曇る 三鬼

向日葵の十四花ゴッホの場合の如く 誓子

向日葵や都心変りて行き迷ふ 秋櫻子

塀出来て向日葵ばかり見ゆる家 立子

向日葵の光輝にまみれ世に出です 静塔

向日葵や雷後渦ゆく神田川 秋櫻子

黒みつつ充実しつつ向日葵立つ 三鬼

向日葵の金の雨だれ終りしよ 不死男

荒園の力あつまり向日葵立つ 三鬼

向日葵立つ方位未確の山の上 誓子

四方に俯向く向日葵の末期の花 誓子

山畑に向日葵咲きて山よ濃し たかし

しばし掌に置く向日葵の俯向く蘂 誓子

頭を垂れし向日葵君等の世も終る 誓子

俗名や月の向日葵陽の向日葵 鷹女

向日葵の金の傲岸ちよんぎり挿す 三鬼

ろんろんと魂潰えて眼の向日葵 鷹女

向日葵や妻をばグイと引戻す 草田男

向日葵や登る人来れば登り坂 草田男

向日葵四五花卓へ投ぐ猟の獲物のごと 草田男

向日葵や入日は沖へ遁げたがる 不死男

星出でてより向日葵は天の皿 鷹女