わが友と君が御垣のくれ竹はちよにいくよの影をそふらむ
きみが植ふる松にすむ鶴いくちよかのどけき宿になれむとすらむ
うゑてみる君が齢はかぎりなしちたび花さけやどの若松
水上に千とせすめとや定めけむ八十うぢ川の絶えぬながれを
ちはやぶる宇治の橋守言とはむいくよすむべき水のながれぞ
きみが世はまねくそそぐ春雨の數ぞ千歳の數となるべき
新古今集・賀
近江のや坂田の稲をかけ積みて道あるみよのはじめにぞつく
よろづ世を祈りぞかくる長峯の山の榊をさねこじにして
うれしくも鏡の山をたてをきて曇なきよの影をみるかな
四方の海も風しづかにぞなりぬらし聲治れりよごのうら波
君がよはちへのみなくら隙もなくつくり重ねよ眞木の村人
吹く風は枝も鳴らさでよろづ世とよばふ聲のみ音たかのやま
ゆく末を思ふもひさし君がよはいはねの山の峯の若松
安河に群れゐてあそぶ眞鶴ものどかなる世をみするなりけり
ゆふ園のひかげの蔓かざしもて楽しくもあるか豊のあかりに
動きなく高御倉山いのりをきつ治めむ御代は神のまにまに