昔わがいのりし道はあらねどもこれもうれしな賀茂の河かみ
いたづらにふりぬる身をも住吉の松はさりともあはれしるらむ
いさぎよき光にまがふちりなれやおまへの濱につもるしらゆき
ちはやぶる神に手向くることのはは来む世のみちのしるべとをなれ
そまくだし霞たなびく春くれば雪げの水もこゑあはすなり
身にしめしその神山の櫻花ゆきふりぬれど変らざりけり
たちかへりすててし身にも祈るかな子をおもふみちは神もしるらむ
新古今集・雑歌
ゆくすゑは我をもしのぶ人やあらむ昔をおもふ心ならひに
昔より秋のくれをば惜しみしに今年は我ぞさきだちぬべき
身につもる年のくれこそあはれなれ苔の袖をも忘れざりけり
新古今集・雑歌
おもひきや別れし秋にめぐりきて叉もこの世の月を見むとは