羊歯 歯朶 しだ 裏白
歯朶の葉の七荷は誰を小殿ばら 言水
国栖魚に日覆ふ歯朶の折葉哉 言水
餅を夢に折むすぶ歯朶の草枕 芭蕉
誰が聟ぞ歯朶に餅おふうしの年 芭蕉
歯朶添て松あらたむる宮居哉 荷兮
名こそかはれ江戸の裏白京の歯朶 子規
歯朶勝の三方置くや草の庵 虚子
神棚に見えて居るなり歯朶の先 石鼎
やまびとや採りもつ歯朶も一とたばね 蛇笏
うらじろの剪りこぼれをる山路かな 風生
歯朶はさむ戸に安らかに住ひけり かな女
お供へに歯朶のみどりのほの匂ふ 淡路女
裏山に手づから剪りて歯朶長し 風生
裏白や父が飾れば青まさり 汀女