おきよおきよわが友にせむぬるこてふ
蝶よてふよ唐土のはいかい問む
山は猫ねぶりていくや雪のひま
我ためか鶴はみのこす芹の飯
子の日しに都へ行ん友もがな
旅がらす古巣はむめに成にけり
初春先酒に梅売にほひかな
世ににほへ梅花一枝のみそさざい
水とりや氷の僧の沓の音
梅白し昨日や鶴を盗れし
樫の木の花にかまはぬ姿かな
我がきぬにふしみの桃の雫せよ
山路来て何やらゆかしすみれ草
つつじいけて其陰に干鱈さく女
菜畠に花見がほなる雀哉
命二つの中に生たる櫻哉
船足も休む時あり濱の桃
蝶の飛ばかり野中の日かげ哉
幾霜に心ばせをの松かざり
古畑や薺摘行男ども
よくみれば薺花さく垣ねかな
まふくだがはかまよそふかつくづくし