和歌と俳句

松尾芭蕉

此槌のむかし椿歟梅の木歟

苔汁の手ぎは見せけり浅黄椀

まとふどな犬ふみつけて猫の恋

葉にそむく椿や花のよそ心

咲乱す桃の中より初桜

奈良七重七堂伽藍八重ざくら

西行の菴もあらん花の庭

かげきよも花見のざには七兵衛

蝶鳥のうはつきたつや花の雲

世にさかる花にも念仏申けり

ちるはなや鳥も驚く琴の塵