猫の妻へついの崩れより通ひけり 芭蕉
麦めしにやつるる恋か猫の妻 芭蕉
猫の恋やむとき閨の朧月 芭蕉
まとふどな犬ふみつけて猫の恋 芭蕉
日南にも尻のすはらぬ猫の妻 鬼貫
田作の口で鳴けり猫の恋 許六
猫の恋初手から啼て哀也 野坡
うらやましおもひ切時猫の恋 越人
ふみ分て雪にまよふや猫の恋 千代女
声たてぬ時がわかれぞ猫の恋 千代女
木づたひにいどみより来ぬ猫の夫 召波
よく見れは乞るゝ妻やこちの猫 召波
こひ猫やわが古寺になき別れ 暁台
猫の恋六日とし越ふけにけり 白雄
おもひ寐の耳に動くや猫の恋 太祇
濡れて来し雨をふるふや猫の妻 太祇
転び落し音してやみぬねこの恋 几董
角はゆる迄啼つらん猫の恋 青蘿
火の上を上手にとぶはうかれ猫 一茶
あまり鳴て石になるなよ猫の恋 一茶
蒲公英の天窓はりつつ猫の恋 一茶
鼻先に飯粒つけて猫の恋 一茶
うかれ猫奇妙に焦て参りけり 一茶
うかれきて鶏追まくる男猫哉 一茶
寐て起て大欠伸して猫の恋 一茶