和歌と俳句

雪解

西行
雪とくるしみゝにしだくから崎の道行きにくきあしがらの山

西行
降りつみし高根のみ雪とけにけり清瀧川の水の白波

雪とけや誠すくなき水の音 千代女

雪解や妹が炬燵に足袋かたし 蕪村

ゆきどけや深山曇を啼烏 暁台

色いろに谷のこたへる雪解かな 太祇

雪どけや巣鴨辺りのうす月夜 一茶

雪どけをはやして行や外郎売 一茶

片隅に烏かたまる雪解かな 一茶

雪とけて村一ぱいの子ども哉 一茶

小庇に薪並おく雪解哉 一茶

鍋の尻ほし並たる雪解哉 一茶

門前や子どもの作る雪げ川 一茶