山吹や先御先へととぶ蛙
石なごの一二三を蝶の舞にけり
凧抱たなりですやすや寝たりけり
夫婦鴈咄して行ぞあれ行ぞ
蕗の葉に煮〆配りて山櫻
有がたや能なし窓の日も伸る
わか草に笠投やりて入る湯哉
湯入衆の頭かぞへる小てふ哉
車座に居直りて鳴く蛙哉
川雰のまくしかけたり茶つみ唄
春雨や欠伸をうつる門の犬
几巾上てゆるりとしたる小村哉
参詣のたばこにむせな雀の子
寝たいやらかぶりふりけり几巾
うかれ猫奇妙に焦て参りけり
白髪同士春ををしむもばからしや
花ちるや一開帳の集め銭
寝がてらや咄がてらや山をやく
我菴は昼過からが元日ぞ
初空の行留り也上総山
初空を夜着の袖から見たりけり
春風や八文芝居だんご茶や
春雨や藪に吹るる捨手紙