大名を馬からおろす桜哉
上下の酔倒あり花の陰
春の日や雨見て居てもくらさるる
慈悲すれば糞をする也雀の子
蝶々を尻尾でなぶる小猫哉
人撰して一人也花の陰
じつとして馬に嗅るる蛙哉
鶯や家半分はまだ月夜
華の世を見すまして死ぬ仏かな
散花のぱつぱと春はなくなりぬ
辻堂や掛つ放しのねはん像
ぽつくりと死が上手な仏哉
花の影寝まじ未来が恐しき