和歌と俳句

小林一茶

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まりそれてふと見附たる雲雀哉

米値段斗り見る也年初状

しんしんとすまし雑煮や二人住まい

元日も立のままなる屑家哉

まん六の春と成りけり門の雪

がぎよつとするぞよ咳ばらひ

正月やごろりと寝たるとつとき着

梅咲くや門迹を待つ青畳

凧の尾を咥て引や鬼瓦

歩行よい程に風吹く日永

誰それとしれてかすむや門の原

もまた雪雷やしなの山

乙鳥来る日を吉日に味噌煮哉


春立や愚の上に又愚にかへる

鶏の座敷を歩く日永

片乳を握りながらやはつ笑ひ

二渡し超えて田を打ひとり哉

さくや手垢に光るなで仏

陽炎やそば屋が前の箸の山

門の子が這へばとびはへばとぶ

牢屋から出たり入たり雀の子


ふらんどや桜の花をもちながら

ふらんどにすり違ひけりむら乙鳥