春星や女性浅間は夜も寝ねず 普羅
つかの間の春の霜置き浅間燃ゆ 普羅
栂の芽や法衣さびたる浅間山 普羅
浅間燃え春天緑なるばかり 普羅
浅間山蟹棲む水の滴れり 普羅
雲の中に雪あたらしき浅間見ゆ
枯桑の涯に浅間や轟音と煙 友二
浅間山空の左手に眠りけり 波郷
迷ひゐる雲や浅間は雪ならん 虚子
浅間低し我居るところ秋高し 虚子
瘤山も浅間も霧に逆らへり 普羅
ひとところ八千草刈るや浅間山 普羅
霧凝ると見しは浅間嶺が噴くけぶり 秋櫻子
浅間嶺の麓まで下り五月雲 虚子
青空や雪の浅間の両開き 草田男
山垣やひとり雪置く遠浅間 たかし
冬の浅間は胸を張れよと父のごと 楸邨
雪照る浅間伏目といふはゆるされず 楸邨
竹煮草浅間は雲の湧くごとし 源義
浅間が叱し遠山応ふ日雷 草田男
高雲に消ぬる浅間や夕ざくら 秋櫻子
新緑の浅間雪なく雲もなし 秋櫻子
浅間立ち月天四方に凍りけり 秋櫻子