やぶいりや見にくい銀を父の為 其角
やぶ入の友切丸や苞ひとつ 許六
やぶ入の夢や小豆の煮るうち 蕪村
やぶ入りや浪花を出て長柄川 蕪村
やぶいりのまたいで過ぬ几巾の糸 蕪村
やぶ入を守る子安の地蔵尊 蕪村
やぶ入や鳩にめでつゝ男山 蕪村
藪いりやよそ目ながらの愛宕山 蕪村
やぶいりや守袋をわすれ草 蕪村
やぶ入は中山寺の男かな 蕪村
やぶ入や琴かき鳴す親の前 太祇
やぶ入の寐るやひとりの親の側 太祇
やぶ入の枕うれしき姉妹 召波
養父入や行燈の下の物語 召波
やぶ入の我に遅しや親の足 几董
薮入やつゐでに古き墓参り 青蘿
やぶ入りのかくしかねたる白髪哉 一茶
薮入や墓の松風うしろ吹 一茶
藪入や泪先立人の親 一茶
薮入や思ひは同じ姉妹 子規
薮入の二人落ちあふ渡し哉 子規
薮入のさびしく戻る小道かな 碧梧桐
藪入のうかりし人はめとりけり 虚子
藪入のすこし覚えし京言葉 虚子
薮入りの箪笥の上の立て鏡 虚子
薮入にまじりて市を歩きけり 鬼城
薮入に鯛一枚の料理かな 普羅
薮入に餅花古りて懸りけり 普羅
薮入や母すこやかに梅の花 喜舟
やぶ入やおよそ悲しき女親 万太郎
薮入や二人のいもといつくしみ 喜舟
薮入に梅の紅白咲きにけり 喜舟
薮入の田舎の月の明るさよ 虚子
薮入や母にいはねばならぬこと 虚子
薮入の母の焚く炉の煙たさよ 素十
薮入や鳶の喧嘩もなつかしく 青畝
藪入やくらがり峠降り来しと 青畝