竹はまたもてあそぶ也今朝の雪
払はぬはおのが羽なり鷺の雪
暮るるまで続くる雪や蔦のもと
我ものでわれをはなるや雪丸め
ころぶ人を笑ふてころぶ雪見哉
さそはれて尻の重たき雪見哉
ひとりふたりもう独もよき雪見かな
行もどり雪見るひとりふたり哉
寄ものにもののとりつく氷かな
寄ものに水草の付氷かな
心なうちぎりしあとや冬牡丹
美しう昔をさくや冬ぼたん
寒くなくば人から人ぞ水仙花
水仙のたむけや雪の眼にわかず
水仙の香やこぼれても雪の上
水仙は名さへつめたう覚えけり
水仙や常はつめたき薮の中
水仙や誠は水の花なるに
水仙花よくよく冬に生れつき
山陰や枯木の僧に冬の梅
折々の日のあし跡や冬のむめ
冬の梅咲やむかしのあたたまり
独づつかはりかはりや冬の梅
二つ三つ鳥に忍ぶや冬の梅