一八の屋根並びたる小村かな 子規
わら家根や一八咲いて橋の下 鬼城
いちはつのぬれてゐるなり紙のごと 禅寺洞
一八の屋根の藁家の灯りけり 石鼎
蕗の中あはれ一八咲きにけり 青邨
紫羅傘に嶺の雷雨の打ちきたる 秋櫻子
いちはつの花すぎにける屋根並ぶ 秋櫻子
供華はみな白し一八抽きん出て 波津女
夜鷹鳴き月またくらしやぶれがさ 秋櫻子
何といふ寒さぞ一八花咲くに 誓子
溝の穢に一八白き蕾して 誓子
いちはつや親にやさしく古娘 草城
一八の花のほとりに封を切る 鷹女